医療法人社団 鳳友会なんぽ矯正歯科 川崎・新百合ヶ丘

子どもの矯正治療とは

子供の矯正は、3歳から12歳くらいまで( 乳歯列期~ 混合歯列期) が対象です。
子供の矯正治療と大人の矯正治療は、治療の目的、開始時期、方法などに大きな違いがあります。
適切な時期に矯正治療をスタートすることで、よりスムーズにキレイな歯並びと咬み合わせを得ることが出来ます。

子供の矯正治療 大人の矯正治療
治療の時期 3歳~12歳くらいまでが目安です。
乳歯列期~混合歯列期に行います。
(混合歯列期とは、乳歯と永久歯が混在している時期)
13歳~
永久歯列期に行います。
(永久歯列期とは、全て永久歯に生え変わっている状態)
治療の目的 上下のアゴの適切な成長促進と管理し、歯並びの改善をします。 歯の移動による歯並びの改善をします。
使用する装置 1. 取り外し式の装置
2. ワイヤーの装置
1. ワイヤーの装置
2. 透明なマウスピース型の装置
治療費 35万円~ 65万円~

「良い歯並び・正しい咬み合わせ」とは、どういう状態のことをいうの?

良い歯並びと正しい咬み合わせのことを「正常咬合」といいます。 正常咬合とは下記に示す状態のことをいいます。

1. 左右対称で、上下の真ん中が一致している


2. 上下のアゴのバランスがとれており、奥歯は1 本の歯に対して2 本の歯が咬み合っている


3. 上の前歯が下の前歯に 2~3mm 程度覆いかぶさっている


4. 歯が一列に並んでおり、重なっている所や隙間がない

どのような子が、矯正治療が必要なの?

下記のチェック項目に、お子様が一つでも当てはまる場合は「不正咬合(ふせいこうごう)」という状態で、矯正治療により改善が必要になります。

上の前歯が出ている(出っ歯)
【 上顎前突(じょうがくぜんとつ) 】


咬むと下の前歯が上の前歯よりも前に出る( 受け口)
【 下顎前突( かがくぜんとつ) 】


ねじれている歯があり、歯の並び方がデコボコしている
【 叢生(そうせい) 】


歯と歯の間に隙間がある
【 空隙歯列(くうげきしれつ) 】


歯の列から極端に飛び出ている歯がある(八重歯)


奥歯で咬んでいるのに上下の前歯が開いて、舌が見える
【 開咬(かいこう) 】


咬むと下の前歯が見えない
【 過蓋咬合(かがいこうごう) 】


アゴが左右どちらかに偏って、お顔が左右非対称(アゴがゆがんで成長している)

なぜ不正咬合になるの?

不正咬合になる原因は、以下のことが挙げられます。

原因 01クセや生活習慣
指しゃぶり、ほおづえ、口呼吸、舌の動かし方のクセなどにも、歯並びは影響を受けます。
子供の矯正治療では、このようなクセを除去する矯正装置を用いたり、クセの改善を図るトレーニングを行うことで歯並びを改善していきます。
原因 02アゴの大きさと歯の大きさのバランスが悪い
近年、お子様のアゴの大きさは小さい傾向があります。一方で、歯の大きさは変わっていません。
このような状態では、歯がアゴに入りきることが出来ず、悪い歯並びになってしまいます。
子供の矯正治療では、歯がきちんと生えてくるスペースを、歯の並び方を広げることで確保します。
原因 03上下のアゴのバランスが悪い
上のアゴが大きく、下のアゴが小さいことで、出っ歯になってしまうことがあります。
反対に、上のアゴが小さく、下のアゴが大きいと、受け口になってしまいます。
子供の矯正治療では、身体の成長期にアゴの骨の大きさをコントロールして上下のアゴの大きさやバランス、前後関係を整えます。

子供のときから矯正をするメリットは?

1.成長のコントロールが出来る

子供の矯正では歯並びの改善だけが目的ではなく、上下のアゴの成長を正しい方向に誘導してあげることにより、出っ歯、受け口、アゴのゆがみなどを防ぐことが出来ます。

2.歯の移動が速く、後戻りが少ない

小児期では歯を支えている骨( 歯槽骨) が柔らかいため、歯の移動がスムーズで治療期間も短く済みます。また、治療後の後戻りも大人と比較して少ない傾向にあります。

3.痛みが少ない

小児期では歯を支えている骨(歯槽骨)が柔らかいため、成人と比較して痛みが少ないのも特徴です。 また、子供は適応能力が高いため、早く装置に慣れることができ、大人よりも楽に治療出来る傾向があります。

4.抜歯の可能性を軽減

歯を支えている骨(歯槽骨)を広げて、歯が並ぶスぺースをつくってあげます。例えば4人用のベンチを6人用のベンチにしてあげるイメージです。大人の矯正治療では歯を抜かなければ治療出来ない歯並びでも、子供の矯正治療により歯を抜かなくて済む可能性が大きく広がります。

5.お口の中の意識が変わる

子供の頃に矯正治療を行うことで、お子様自身の口の中に対する関心が高まり、将来的に虫歯や歯周病のない健康なお口の環境へと繋がります。

6.治療費が変わる可能性がある

子供の矯正治療をすることにより、永久歯が萌え揃った後、大人の矯正治療が不必要になる患者様もいます。その場合、治療費が大人の矯正治療の半額程度で済みます。

いつから始めるのがいいの?

子供の矯正治療を始めるベストな時期は、お子様の歯の萌え変わりや歯並びの状況、アゴの成長時期によって決まります。
一般的な目安として、前歯が萌え変わる6歳頃ですが、受け口などの症状がある子の場合は 3歳頃から始めることもあります。
お子様の歯並びが気になったり、歯科検診で指摘を受けた場合は、矯正専門医の受診をお薦めします。

早めに相談を受けた方がいいケース

生まれつき無い歯がある(先天欠損歯)

先天欠損歯とは、生まれつき数が足りない歯の事です。先天欠損歯があると、歯と歯の間が離れて、いわゆる「すきっ歯」になってしまうことがあります。また、乳歯が先天欠損の場合、その後に生えてくる永久歯も欠損している場合が多く、歯並びや咬み合わせに影響が出てくることもあります。

自力で萌えることが出来ない歯がある(埋伏歯)

埋伏歯とは、骨の中に埋まったまま、出てきていない歯のことをいいます。
子供の頃に埋伏歯を発見することが出来ると、手術を回避できる場合が多いです。
※親知らずも埋伏歯の1つです。

受け口(反対咬合)

受け口の治療を大人になってから行うと、アゴを切る外科手術が必要になる場合があります。 受け口は、骨格的な原因に由来することが多いのです。 アゴの骨が成長途中の子供の頃に、矯正治療を行い、アゴの成長をコントロールすることで手術を回避出来る可能性が高まります。

指しゃぶりや舌のクセがある

指しゃぶり、舌癖(ベロのクセ)も歯並びが悪くなる原因です。 特殊な矯正装置の使用やクセの改善を図るトレーニングを行うことで、歯並びを改善していきます。

歯科検診で指摘を受けた場合以外でも、お子様の歯並びが少しでも気になりましたら矯正専門医に相談をしましょう。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

  1. 治療中は、矯正装置による不快感や痛みがあります。数日~1週間ほどで慣れることが多いです。
  2. 歯の動きには個人差があります。そのため、予定している治療期間が延びる可能性があります。
  3. 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院、歯磨きなど、矯正治療には患者様のご協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  4. 治療中は、装置が付いているためプラークが溜まりやすくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、磨き方、磨く時間、使用する歯ブラシの種類、洗口液の使用などが重要です。また、歯が動くと今まで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
  5. 歯を動かすことにより歯根の形が変化したり、短くなることがあります(歯根吸収)。また、歯茎が痩せて下がることがあります(ブラックトライアングル)。
  6. ぶつけたことがある歯や神経を取る治療を受けたことがある歯は、骨と癒着して歯が動かないことがあります(アンキローシス)。
  7. ごく稀に歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  8. 治療途中に口内炎や金属アレルギーなどの症状が出ることがあります。
  9. 治療中に「顎関節の音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  10. 治療の進捗状況により、当初予定した治療計画を変更する場合があります。
  11. 治療中に、歯の形を修正したり、噛み合わせの調整を行う場合があります。
  12. 矯正装置が外れた場合に、装置を誤飲する可能性があります。
  13. 装置を外す際に、歯の表面(エナメル質)に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する場合があります。
  14. ワイヤー装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じます。
  15. ワイヤー装置が外れた後、現在の噛み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
  16. 顎の成長発育により、歯並びや噛み合わせに変化が生じる可能性があります。
  17. 治療終了後に親知らずが生えてきて、前歯などにデコボコが生じる可能性があります。また、加齢や歯周病の進行などにより歯を支えている骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
  18. 矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。